文部科学省選定 幼児向け 教養・情操等
夜なのに眠れないボク。それもこれも、パパから聞いたお化けの話のせいだ。実は、街には、お化けの住むアパートがあると言う。怖くて眠れないボクは、チャチャとお話をする。「怖い怖いと思うとお化けは来るんだワン」「じゃ、怖くないって思うの?」「もしかしたら優しいお化けかも知れないワン」だったら、確かめに行ってみようと、家を抜け出すボクとチャチャ。古アパートは、いかにも不気味な感じ。入るのさえ怖いが、そこにダーッおじさんまで現れるから、なかなか近づくことさえ出 来ない。やっとのこと意を決して、アパートに入ってゆくボクとチャチャ。怖い顔のおばあさんが顔を出し、ボクとチャチャを襲う。いや、彼女は小さな子どもが夜中にウロウロしているのを心配してくれたのだ。実は、お化けの正体はこのおばあさんだったらしい。安心して帰るボクとチャチャだったが、帰る道すがら、チャチャのクルマに誰かが乗っ ているのに気づくボク。それこそ、本物の幽霊。振り切ろうと、メチャクチャに走るチャチャ。逃げるのに疲れたボクとチャチャは、幽霊と話をしてみる。それもボクよりちょっと大きいくらいの女の子だ。名前はサラ。ボクとチャチャとサラの三人は夜の街で遊ぶ。遊び相手がいなくて、サラは淋しかったのだ。でも、眠くてしょうがなくなるボク。サラはつまらなそうな顔をするが、ボクには寝な さいねと言ってくれる。やっぱり、チャチャの言う通り、幽霊はちっとも怖くない優しい幽霊だった。
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