文部科学省選定 幼児向け・少年向け 教養・情操等
ママの友達から絵ハガキが届く。その絵ハガキに裏の豪華客船の写真にボクは夢中。とても大きくて格好いいのだ。チャチャを誘って、どうしても見に行きたい。海鳥たちに方角を聞いて、海へとダイブするチャチャ。しかし、走れども走れども船は見えて来ない。泳ぎ疲れたチャチャは、なんと海の上で寝てしまった。 つられてボクもウトウト。ビクッと目が覚めたのは、鮫が近づいて来ていたからだ。疲れていたはずのチャチャも猛スピードで泳ぎ出した。すると、前方に見えて来たのは、あの豪華客船だ。チャチャとボクは必死で、その船に乗り込む。中には、映画館やレストラン、プールなどもあって、一つの街みたいだ。けれど、困ったのは、船がどこへ行くかわからないことだ。「きっと、外国だぉ」ボクは、勝手に家を出て来たことを後悔する。パパやママたちは心配しているに違いない。二人は、不安なまま、どこかの港に着くのを待った。夕方、船は港に入ってゆく。そこには見覚えのある顔が……「ママだ!」そう、この船は、グリーンヒルタウン近くの港に入港することになっていたのだった。ホッとし、そしてママに見つからないように船を降りるボクとチャチャ。が、見つかってしまう。「どうしてここにボクが?」ママはそんなことより、ボクに本物の船を見せてあげられて良かったという。「ほら、凄いでしょ?」自慢そうに言うママだったが、ボクは船のことはもう何でも知っているのだった。
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