文部科学省選定 幼児向け・少年向け 教養・情操等
その日はパパとママの結婚記念日。こういう日は、夕方からキャサリンが来てくれることになっている。彼女といると、テレビばかり見ていて退屈なのだった。退屈なのは実はキャサリンも同じ。ボーイフレンドを呼んで、パーティをやると言い出した。それは面白そうと思うボクだったが、ボクは実は蚊帳の外。パーティが始まって、つい うっかりパパとママの宝物の花瓶を割ってしまう。ビックリしたボクとチャチャは家を飛び出す。二人ぼっちになってしまったボクとチャチャ。けれど、家にいられなくなったのはボク たちだけではなかった。バス停に、荷物をまとめて家を出て来たマリーがいたのだ。「ふーん、あんたんちはパパとママが仲がいいの?うちはパパとママがケンカしたのよ。いい?これは作戦。家出するとパパとママはケンカをやめてあたしを迎えに来るの。子どもを心配しない親なんていないんだから。迎えに来るまで帰っちゃダメ」マリーのパパとママは実際迎えに来たが、本当にそうなのかなあ?と思うボク。マリーは去り際に一言。「あんたは幸せよ。パパとママが仲がいいんだもの。あたしん家みたいな子どもは苦労 するのよ」やがて、そこへ迎えに来るパパとママ。「ごめんな、ボク」とパパ。「ご飯食べていないんだって?」とママ。キャサリンもすなまそうにしている。しかし、ボクは言うのだ。「ううん、パパとママは仲良しだからいいんだぉ。ボクにはチャチャがいるぉ」そして、ボクは思う。「今度、マリーも一緒にドライブに行こうね」
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